GVA法律事務所
「初動の速さが紛争案件の成否を分ける」──GVA法律事務所が実践する、AIを活用した事案把握と1stドラフトの高速化
Q.ベンパル書面作成の導入を決めたきっかけは何ですか?
近年紛争案件が増加しているため、専門の「紛争対応チーム」を立ち上げました。
紛争対応において重要なのは「初動」であると考えており、この初動をどれだけ速くすることができるかが紛争案件対応における喫緊の課題でした。具体的には、早期の着手はもちろん必須ですが、事案全体像の把握から不足証拠の洗い出し、1stドラフトの作成をどれだけクイックに実現することができるかが課題でした。
そんな中、(タイミングも丁度よく)GVA TECH社が「ベンパル書面作成」というサービスを開発していたので、事務所課題とマッチすると考え、開発初期段階で導入を決めたという経緯です。
Q.ベンパル書面作成をどのようにご利用されてますか?
受任後割と初期の段階で、案件概要が記された議事録と受領した証拠類を一旦全部アップロードして、step1「証拠解析(データ解析)」とstep2「主張立証構造の整理(専門処理)を回してしまうことが多いですね。
初動で一早く事案の全体像と依頼者への追加確認事項を押さえておきたいからです。
step2では、①当事者関係図から②事案の時系列表、③各証拠の法的分析結果、④ブロックダイアグラム、⑤事実認定の構造図と主張立証構造の分析、⑥総合評価と改善計画が出力されるので、step2は1に比べるともう少し突っ込んで確認します。
step1,2の出力結果ですが、ざーっとだけ全体を確認しつつ、「Control+F」で「要確認」のキーワードを入れて、AIが自信なさそうな部分を確認します。AIが自信ない部分を拾い読みして、「これは読取ミスかな?」と思ったら、ベンパル書面作成上でそのまま修正編集をして、「保存」を押して先に進めます(右上の「保存」を押さないと保存されないので要注意)。
この【要確認】フラグはとても気に入ってます。
このstep1,2で、step3には進めず一旦止めておいて、追加確認事項の依頼を依頼者に行うことが多いですね。まだまだ穴がある状態で、step3「書面作成」に進めてみてもいいとは思いますが(仕上がりを見てみるという点では有用かもしれません)。
step3まで進めた後は、Microsoft Word形式にダウンロードする機能もありますが、出力のパーツを使いたい場面が多かったため、ダウンロードまでせずにベンパル書面作成上の出力結果をコピーして、事務所ひな型に貼り付けることが実際は多かったですね。
1stドラフトを担当するアソシエイトの成果物とベンパル書面作成の出力結果を比較するということは、従来あまりやっていなかったですが、漏れのチェックとしてはそういった使い方もあるかも知れませんね。

Q.魅力に感じるポイントを教えてください。
何よりも初動の速度が飛躍的に向上した点です。
書面の精緻さももちろん良いポイントなのですが、弊所はこの点に一番の魅力を感じます。
やはり、初動が速ければ速いほど、先回りして追加証拠収集の時間を確保することができますし、1stドラフトが速く出れば出るほど依頼者との綿密な協議をすることができます。
step2「主張立証構造の整理」では、事案の全体像を押さえることができますし、事実認定構造も予測的に可視化され、かつ事実認定の蓋然性もスコア化されるので、事案の全体像の把握にとても効果的です(特に事実認定構造の図式化は依頼者との打ち合わせにそのまま使える資料にもなるのは嬉しいですね)。
特に嬉しいのは、やはり時系列表ですね。その時系列表上の事実がどの要件事実に関連するかが明示された形で瞬時に出てくる、これが嬉しいですね(新人アソシエイトにいつも頼んでいた業務です)。
依頼者の言い分と証拠間、証拠間で矛盾等があるとそれも指摘してくれるのも嬉しいポイントです。実際に、「矛盾している可能性あり」という表示を見て、依頼者に確認したところ認識の齟齬が発覚したということもありました。
また、間接事実の整理表、動かし難い事実の整理表も出力してくれるので、事実整理面の機能はとても充実していると思います。
また弁護士によってはいわゆる「筆が重い」タイプもいるのですが、そういった弁護士にとっては、1stドラフトの精緻な叩き台が10分程度で出力されるのはとても魅力的です。
若手アソシエイトの目線からみると、step1.2の出力結果をちゃんと読んでみると、「こういう分析ができるのか」といった学びが結構あるのも魅力です。step1,2を回してみて、それをもとに自分の見立てとすり合わせをして見立ての修正をする、こういった使い方もあると思います。各証拠の「弱点・限界」という項目では、要証事実との関係でその証拠の弱いところを明示してくれるので、新たな気付きになったり、頭にはなかったロジックが見つかったりと有用性は高いと思います(既に見立てが固いなら読まなくていいと思いますが)。
Q.ベンパル書面作成にご要望はありますか?
色々ありますが、step2のブロックダイアグラムだけを取り出してさっと確認することができたりしたらいいなと思います。慣れの問題もありますが、情報量は多いので、出力結果のパーツを簡単に取り出してさっと確認出来たら嬉しいです。
また、step3の出力結果部分で、もっと簡単にチャットベースで修正指示が出せたりすると嬉しいです(どこが修正されたかの履歴もあればベストですね)。
あとは3者間紛争にも対応できるようになれば嬉しいです。