桜丘法律事務所
膨大なPDFやメモから事案の見通し立てとして機能する活用法
桜丘法律事務所大窪先生に、ベンパル書面作成の導入背景や導入後の運用について伺いました。
■ 導入のきっかけ
弁護士業務において、依頼者から持ち込まれる資料の精査は膨大な時間と労力を要する中、PDFファイルや、まとまりのない相談メモなどを一つ一つ読み込み、法的な整理を行った上で起案作業に移らなければなりません。
こうした「実際に人間が書面を書く前段階」における作業負担を減らし、効率的に事案を整理するため、当システムの導入を決定しました。
最初から100%完璧な完成品を出力させることではなく、まずは実務に耐えうる「たたき台」として機能するかどうかも含めて使用しています。
実際に損害賠償でこれまでのPDFとメモ関係でdocument作成のたたき台としてどうなるか見て、実際に書けるレベルの前まで行ってくれていると感じています。
■ 活用シーン
現在、最も活用しているのは、事件の受任直後や初期段階における「事案の見通し立て」のシーンです。
実際の運用では、初期分析を担う「Step1」や「Step2」の出力内容を重点的に確認しています。Step1の部分は留意点、証拠の作成時期が不明な点などは見るようにしています。
Step2で見るのは総合評価と改善計画、認定蓋然性(事実が裁判所で認められる見込みの高さ)、欠落している証拠部分です。
特に争点や証拠関係が十分に整理しきれていない段階において、裁判での主張にあたって不足している「欠落している証拠」をAIに提示させることで、弁護士が客観的な立証方針を組み立てる際の参考として役立てています。
また、類型無限定(特定の事件類型に限定されない仕様)ができたのは良かったです。
多角的な案件で活用しています。
■ 魅力に感じるポイント
実際に運用する中で、特に利便性の高さを実感しているのが
「時系列の網羅的な整理能力」と「指摘精度」です。
散逸したメモや無数のPDFから、手作業で時系列表を作成する作業は非常に煩雑です。
この部分をAIが抜け漏れなく網羅的に抽出・整理してくれる点は、実務上の大きなアドバンテージとなっています。
また、出力された結果の全てを鵜呑みにするのではなく、あらかじめ「たたき台」として割り切って利用することで、Step3で出力された分析結果から必要な部分だけを「一部抜き出して書面に使うようにしている」といった形で、実用的な書面作成支援ツールとして活用しています。
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■ 現場での独自の活用法・工夫
1.岡口マクロの書式
岡口マクロ(要件事実整理の書式)の書式にしたものを入れ込んでいろいろ試しています。
要件事実を抜き取って文字化して証拠として初期段階に入れ込んでいます。
2.データ分割による対策
証拠容量の大きい重厚な案件においては、あらかじめ資料を小分けにして入力することで、システムのエラーを防ぐ工夫を凝らしています。
■ 今後の期待
完成品の手前という部分で全体を通して実務の省力化に貢献してくれています。
「要確認」は良いと思いますが、一つ一つ証拠を見てそれが提出できるのが良いのかは微妙といった、人間側の確認コストに関する部分の改善にも期待しております。
さらに画面の視認性についてですが、Step2は長いためSummary(要約)をつけるか目次ができるとより効率的に確認が行えるので嬉しいです。
最後に完結する(最終提出版)としたらmints(民事裁判書類電子提出システム)に対応した証拠類が(Step4など)一貫してできると良いなと思います。